火口のふたり(小説)ネタバレ・感想☆本能が求める生き方とは?

小説
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いとこである賢治と直子が故郷の九州で再会し、かつての濃密な関係をよみがえらせる所から物語はスタートします。

直子との行為によって当時の記憶や体の感覚を取り戻していく賢治。直子の結婚式までの5日間のふたりを描写していきます。

終盤、思いもよらない事態に見舞われ、予想外の方向に物語が展開していきます

いまあなたが本当にやりたいことはなんですか?

世間体や安定した未来の為に日々働くことは、大人社会の暗黙のルールだったと読みながら気付かされます。あなたの『身体の言い分』をあなたはちゃんと聞けていますか?

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「火口のふたり」作品情報

  • 作品名:『火口のふたり』
  • 著書:  白石一文
  • 出版社 :  河出書房新社
  • 発売日: 2015/6/10

「火口のふたり」は直木賞作家・白石一文さんが2015年に出版した小説です。2019年に主演・柄本佑,瀧内公美、監督・荒井晴彦で実写映画化され、濃厚な性愛描写が話題となりました。

2020年2月、去年を代表する映画を表彰する「キネマ旬報ベスト・テン」が発表され「火口のふたり」が作品賞1位に輝いています。

映画化にあたり白石一文氏からのコメントにあるように、2011年の東北大震災の経験を経て執筆された作品です。

「火口のふたり」はあの大震災から時を経ずに一気呵成で書き上げた小説で、私としてはめずらしいほど生命力にあふれた作品だ。人のいのちの光が最も輝く瞬間をどうしても描きたかったのだろう。

「白石一文」著者紹介

福岡県出身。父親が直木賞作家の白石一郎氏であることが有名。一文氏も2010年に「ほかならぬ人へ」 で第142回直木賞を受賞し、 初の親子二代での受賞となった。

早稲田大学政治経済学部を卒業後、文芸春秋に入社し、週刊誌記者・文芸誌編集者として働きながら執筆活動を開始。白石一文名義では2000年に「一瞬の光」でデビュー。

火口のふたり『小説』ネタバレ

帰郷・直子との再会

永原賢治(ながはらけんじ)41歳は、九州に帰省していた。

従妹・佐藤直子(さとうなおこ)36歳 の結婚式に出席すると言うのは表向きの理由。

東京で起業した会社経営が行き詰まり、結婚生活も破綻して独り身になっていた賢治は、半ばなげやりな気持ちで逃避するかのように故郷に帰ってきていた。

7年ぶりに再会した直子は若い時と変わらない。

賢治が滞在する亡き母親の家に押しかけてきて、運転手として外に連れ出す。

道中、直子の実家に立ち寄り、昔のアルバムを発見する。

それは賢治が25歳、直子が20歳の頃。東京で過ごしたふたりの濃密な関係をよみがえらせる破廉恥な姿の数々だった。

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今夜だけ、あの頃に戻ってみない?

直子の言葉をきっかけに、賢治はまた直子との性愛にのめり込んでいく。

ふたりの五日間

直子は「今夜だけ」のつもりが、「帰り道ば見失った」と言う賢治。

婚約者・北野三佐が戻る5日後に終わりにすると約束し、束の間の日々をともに過ごす。

時を忘れてセックスをし、気を失うように眠り、お腹が空いたら二人は一緒に台所に立った。スーパーで買ってきた食材で作る至極簡単な料理だったが、賢治の作るごはんは美味しかった。

賢治は誰かに自分の料理を食べさせるのが好きだったし、破綻してしまった前の家庭も、自分が料理を振る舞っている間はうまくいっていた事を思い出した。

直子との日々により、昔の曖昧だった記憶を少しづつ蘇らせる賢治。

東京にいた頃、ビルとビルの隙間で人目を気にしながら直子とよくセックスをしていた。

この街にそれらしい場所がないかと外をほっつき歩きながら、賢治は久々に自分が前を向いて進んでいるような気がしたのだった。

倉敷旅行、賢治の過去

終わりが翌日に迫った朝、2人は広島方面の新幹線に乗車する。

車内で行為に及ぶことが目的だった。

途中で想定外の中国人の団体に巻き込まれ、結局岡山まで足をのばす事になった。

そのまま岡山で降りて、倉敷のホテルに一泊する事にした。倉敷の街並みを2人で観光し、最後の夜を過ごす。

翌朝賢治が目を覚ますと、書置きを残して直子の姿は消えていた。

この五日間、夢みたいに楽しかった。本当にありがとう。

直子からのメッセージを反芻しながら、賢治はこの五日間をむしろヤケクソだったと感じた。

結婚式が終わって東京に戻れば、賢治を待っているのは失業と借金苦だ。

直子もまたこの先、夫以外の男と性交渉を持つことはできない。

お互いに、先のことも過去のことも忘れてしまいたくてセックスに溺れた。

だけ」だからこそ、後先考えずそんな大胆な真似が出来たのだ。

賢治の過去は、未来の為にやりたくもない事ばかりやって、棄て続けた今日が、積み重なってできていた。

それがこの社会に於いて最善と思われている暗黙のルール・生き方だと大人になっていつの間にか思い込んでいた。

直子との五日間はそんな堅苦しい倫理観からの一時的な逃避行。

彼の場合、思う存分、今を生きるために最も手っとり早く、かつ有効な方法は「女」だった。

現に直子と過ごしたこの五日間、俺は久しぶりに自分が生きているという強い実感を得ている。

賢治

ドタキャン、驚愕の理由

岡山から帰った翌々日の朝、賢治のところに直子の結婚式が延期になったという知らせが入る。

延期の理由や、次の日取りもはっきりせず、賢治は自分との浮気がバレたのではないかと危惧し、直子に直接連絡をとり、家へ向かう。

しかし、キャンセルは賢治のせいではなく、自衛隊に勤める北野三佐が極秘任務の為、どうしても式に参加する事ができなくなったという理由だった。

その理由に釈然としない賢治は、何かを隠しているのではないかと問い詰めると、直子は自分の部屋から長い筒状のもの持ってきて、賢治に差し出してきた。

それは昔、賢治の部屋に貼られていた富士山の火口を真上から撮影したポスターをだった。

噴火するんだよ。来週には発表するみたい。三百年ぶりの大噴火だって。

直子

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今になって明らかになる事

直子から驚愕の情報を得て、賢治は富士山噴火に関する本を買い込み、むさぼり読んだ。

三百年ぶりの噴火は富士周辺地域のみでなく、首都圏にも甚大な被害をもたらす。

降り積もる火山灰により、東京のライフライン・都市機能は完全にダウンし、経済活動は長期にわたって大幅な停滞を余儀なくされる。

要するに、この国は東北大震災、津波、原発事故で深手を負った現状に、さらに富士山噴火という天災が積み重なり、いよいよこれから滅茶苦茶になってしまうのだ。

今後は自分の命さえどうなってしまうかわからない局面に立った時に、賢治は十年先、二十年先の計画をたてて生きるのが、心底バカバカしくなった。

今をひたすら好きに生きればいいと言われたら、賢治が今一番やりたいことは、直子と一緒に暮らし、セックスするだけだった。

日曜日の夜。二人はビルとビルのうす暗い狭い空間でセックスしていた。

一昨日、散歩中に見つけた場所だ。

行為の最中、直子の喘ぎ声を抑えることができず、途中で断念した。

帰り道、直子は不意にこう言った。

「賢ちゃん、こういうの、もうやめようよ」

「あの頃から狭い隙間に入ってする行為が本当は全然好きではなかった、怖かったけれど賢治がやりたそうだったから我慢して付き合っていた」と言うのだ。

賢治は心底驚き、長年の自分の勘違い呆気に取られていた。

だとすると、電車の中やデパートのトイレの中で行為に及んだのも、彼女にすれば不本意だったという事か?すっかり頭が混乱したが、いちいち訊ねる気にもなれなかった。

早く帰ってつづきやろうよ。明日からこの国は戦争だよ。

直子

賢治の気持ちを知ってか知らずか、直子は明るい声で言う。

彼女のキレイな髪が街灯に照らされてつやつやと光っていた。

戦争か。たしかにそうだな。

賢治

直子が伸ばしてきた手を握って、賢治はゆっくりと歩き始める。

火口のふたり『小説』口コミ・評価

「火口のふたり」で描かれた、先の事を考えないふたりの世界は、賛否両論、意見が分かれる部分でもあると思うのですが、Twitterに挙げられている感想では好意的な意見が多かったです。

火口のふたり『小説』まとめ

「火口のふたり」は一見ある男女の濃厚な性愛描写に目が行きがちですが、未曽有の災害を経験した作者があらためて死生観について考え、問うた作品です。

食べて、寝て、セックスをする。

二人の生活はごくシンプルなこの三つで営まれていましたが、普通であればここに労働するという要素が入ってきます。

大人になり、社会に出ると労働の比重がどんどん重くなり、自分が何をしている時が一番楽しいのか? 気持ちいいのか? 何をしたいのか?

という一番基本的なモチベーションをいつのまにか見失っているのかもしれません。

また、身体で強く結ばれているようにみえる賢治と直子は、気持ちの部分ではあの頃も今も微妙に擦れ違っています。

こういった感情描写に男女関係の滑稽さ・リアリティが感じられる奥の深い作品でした。

この記事を読んで『火口のふたり』が気になってきた・・・という方はぜひ、試し読みから始めてみてくださいね!


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