すみれ荘ファミリア あらすじ・感想☆壮大で複雑な人間関係

小説

今、「流浪の月」や「私の美しい庭」などで話題沸騰中の作家、凪良ゆうさん。もともと、BL小説でその名を馳せていた彼女の二作目の一般文芸作品、それがこの「すみれ荘ファミリア」なのです。

この作品はライトノベル形式で、外側の情報だけ見ると「The・小説」とは捉えにくいんです。ライトノベルというジャンルの認識も、漫画やアニメのような世界を小説で描いたものという印象が強い…

がしかし、この作品は壮大かつ複雑な人間関係の物語。ライトとは形容できないお話の重量に度肝を抜かれました。ここで感じた作者の技量もぜひ、みなさんにご紹介したい!

ということで今回は「すみれ荘ファミリア」の重くも繊細なお話の魅力と、著者、凪良ゆうさんの技に迫ります!

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『すみれ荘ファミリア』 作品情報

  • 作品名:すみれ荘ファミリア
  • 作者名:凪良ゆう
  • 出版社:株式会社KADOKAWA
  • ページ数:320ページ
  • 初版:2018年7月15日
出典:角川プロダクト

作者紹介

https://www.chil-chil.net/goodsDetail/goods_id/
  • 凪良ゆう(なぎらゆう)
  • 1月25日生まれ。
  • 2006年に「恋するエゴイスト」(白泉社)でデビュー。ボーイズラブ漫画の原作や、小説家として活躍する。
  • 2017年に「神様のビオトープ」(講談社)で一般文芸デビューを果たし、注目を集める。
  • 2020年1月には著書「流浪の月」が本屋大賞2020にノミネートされた。
  • 主な作品に、「流浪の月」「私の美しい庭」「おやすみなさい、また明日」「積み木の恋」などがある。

『すみれ荘ファミリア』 あらすじ

朝食、夕食付きのおんぼろ下宿「すみれ荘」がこのお話の舞台。

大家代理兼、管理人をしている一悟は、古株の青子、TV制作マンの隼人、OLの美寿々らと家族のように暮らしていました。

そこに、まぁひょんなことから、芥一二三(あくたひふみ)と名乗る新しい入居者がやってきます。作家である芥はマイペースながら、思ったことは率直に口にする不思議な男です。

そんな芥の入居をきっかけに、平穏なすみれ荘の住人たちの、今までに見えなかった顔が見え始めるのです。ここで感じる人間のリアルがまた鳥肌ものです。

そしてそれが、すみれ荘の今後を左右する、とんでもない事件に発展していくわけです。

過去から今に至るまで、たくさんの人間と感情を交錯させ、なおかつわかりやすい文体でさらさら読める、読み始めたらとりあえず止まらない一冊でございます。(ง ˙-˙ )ง

すみれ荘ファミリアって?個性豊かな住人紹介

まずは、すみれ荘に住む個性的な住人をご紹介します。

和久井一悟(わくいいちご)(33)


すみれ荘の大家代理兼管理人。生まれつき虚弱体質で今は年中倦怠感に苛まれている。すみれ荘の朝・夕ご飯担当で頼まれ事は断れないすこぶるいい人。美寿々曰くクソ真面目。

玉城美寿々(たまきみすず)(26)

すみれ荘歴六年の会社員。普段はイケメン好きのやや口の悪い女の子だが、重度のPMS持ち。月の半分を苦痛とともに過ごす。その期間は住人も美寿々に近づかない。

平光隼人(ひらみつはやと)(27)

テレビ番組の制作会社に勤めている。弁が立ち、人の心をつかむのがうまい。大学時代は映画サークルを主催し、脚本や監督をしていた。美寿々とは歳が近く兄妹のような関係性。

上郷青子(かみさとあおこ)(36)

すみれ荘の古株。花屋に勤めていて薬草に詳しい。体の弱い一悟のためにハーブティーを作っている。一悟とは16年の付き合いで姉のような存在。気が利き信頼が厚い。

芥一二三(あくたひふみ)(29)

すみれ荘の新しい入居者。職業は作家。マイペースで思ったことを素直に口にする。目元の涙型のホクロが特徴的。作中では不愛想で植物みたいに物静かな男だと表現されている。

この住居人たちで一つの家族のように結構平和な暮らしを送っているすみれ荘です。ただ、それは表に見えている姿同士で接しているからであって、それぞれ表に見せない、秘めたものを持っています。

『すみれ荘ファミリア』 人なんて、目に見えないものが全てだ

見出しにある通りですが、今紹介したすみれ荘の住人はそれぞれ、表立って見せる顔と、裏側の本質的な姿、両方を持ち合わせています。

それは、強かったり、弱かったり、かっこよかったり、情けなかったり。嬉しかったり、悲しかったり。でもそれってきっと現実を生きる人たちも同じだと思うんですよね。

全員分書いてしまうと盛大にネタバレをかましてしまうので少しだけ…

まずこの本の構成として、プロローグ、エピローグ合わせて7編から構成されています。

一悟の周囲の人間について一編ずつそのパーソナルを紐解いてまいります。

と同時に一悟の過去の出来事も掘り起こされていき、読み進めるうちに物語の核心部に触れていくのですが、後半は衝撃的展開の連続で読む手が止まりません。

中でもこのお話に強烈な印象を残すのは、芥と青子さんです。

芥は実は一悟の弟です。と言っても二人が小さい時に生き別れているのですが、一悟と別れた後の芥の人生、これがこのお話の一つ目の鍵。

青子さんは…涼しい顔をして実は裏で色々やらかしている人。「この人がいたから」な出来事がたくさんで、口から次々に出てくる真実がお話を一気にまとめあげていきます。

私はこの人好きになれないです。笑

もちろん他の登場人物も色々抱えているものはあります。人ってこうだよなぁって思うエピソードばかり。そこは皆さんがこの本を読んで実際に体感してみてください。

https://www.yunphoto.net/jp/photobase/yp7765.html

『すみれ荘ファミリア』 凪良ゆうのリアルな人間の描き方

この物語に登場する多様な人物たちですが、それぞれの人間が抱く感情や葛藤を、凪良さんは実にリアルに、共感力高く描きます。

「うわ、わかる」って思わせてくれる人の性が沢山登場するわけです。

一部作品から引用してご紹介します。

自分の身体なのに思い通りに動かせない歯がゆさ。肉体的苦痛が長く続くと精神もやられてくる。あがくほど苦痛は増し、諦めて現状を受け入れることが一番楽だと気づく。それがたとえじわじわと心を殺していく遅効性の毒だとしても。

P39

自分にばかりかまけて、大好きだった優しい恋人を傷つけた。あのときと同じ失敗はけっしてしまいと、ぎりぎりのところで踏ん張っていたものがぷつんと切れた。愛されることや評価されることを、もういいやと手放した。はい、私は欠陥品です。だからもういい。そう思うと、いきなり楽になった。

P66

この二つは美寿々の焦点を当てたお話の一節です。美寿々の心の内をそのまま文字に起こした言葉の羅列、現実の人間の感情にかなり近いと思うんです。

物語の中にはこのような人物の感情をそのまま書き起こした表現が多い、そしてそれが臨場感を生み出しています。

みんな幸せになりたい。見るに値する夢がほしい。自分の存在を主張できるSNSがあり、いつでも誰かの暮らしを覗ける。それは巧妙に、もしくは無意識に演出されていて、なにが本当で嘘なのか、少しずつ分からなくなっていく。幸せを計る基準が曖昧になっていき、ある日、ふと自分の立ち位置を見失う。迷うだけなら切り捨てればいい。けれど弱いから誰かとつながっていたい。

P152

隼人のお話の最後、一悟のモノローグです。これは現代の若者に通づるものがありますね。私もSNSに対してあまりいい印象を持っていないので、その気持ちを具体的に言葉にされた感がありました。

https://www.photo-ac.com/main/search

気づかずに通りすぎ、気づいては振り返り、慌てて戻る。間に合わないこともあるが、間に合うこともいくつかはある。そんな風に日々は進んでいくのだろう。

P310

本編の一番最後に、一悟が残す言葉です。この落ち着きのある言葉で終わらせらるのは一悟の人柄が最高にいいからだろうと思うくらい、ここまでくるのに色々起こっています。

が、このお人好し主人公が歩く物語だからこそのお話全体の雰囲気が素敵なのでこの一節を紹介しておきます。

ここで紹介した4つの引用文だけでも「人の感情が的確に言葉に起こされていて、なおかつ言葉が易しいから分かりやすい」が体験できるのではないでしょうか。

これが凪良さんの描く文章の特徴であり、技の一つなのです☆

『すみれ荘ファミリア』 読者の感想

読んだ方達はみんな度肝を抜かれているようです。肝を抜かれたのは私も同じなのですが、この本は読み手に何か大きなメッセージを残していると思います。

そこがこの三人の方の共通点でもありますね。それぞれ内容は違えど、本当に読んで良かったと思えるヘビーな贈り物を残してくれる、作品であることが伺えます。

『すみれ荘ファミリア』 私がこの作品を推す理由

もっと多くの人にこの作品を読んで、凪良さんの小説に圧倒されてほしいからです。

世界の見方が変わる様子を少し体験してほしいのもあります。

私がこの作品を知ったのは、凪良さんの一般文芸の小説をいくつか読み進めた後でした。ライトノベルとして出版され、「すみれ荘ファミリア」というなんとなくあたたかいタイトルに明るいお話を想像していました。

ところが、この作品は読めば読むほど人の暗部がふつふつと湧き出て、それがなかなかにリアルで、心を抉られるお話だったのです。

そこで改めて

「凪良さんは、読者に、普段考えないようなことを考えさせる何かをこれでもかというほど残すお話を書く方だったなぁ」

ということに気づかされましたね。そりゃ明るいわけないよねと。

表面上だけで接していたら絶対に触れない人の裏側が滲み出る本であること、たくさんの登場人物、良い悪いにかかわらずそれぞれ個性的で魅力たっぷりに描かれていること、超複雑なのに決して読者を置いてけぼりにしないところ。

「流浪の月」も「神様のビオトープ」も本当に渾身の一作ですが、普段描かれるようなお話とまた違った視点からお話の世界を作り上げていて、著者のレベルの高さをしみじみと感じられる一冊だと思います。

これはラノベの概念を大きく覆した、

こんなところに埋もれてないでもっと多くの人に読んで、苦しみを感じて欲しい作品だから、大いにおすすめさせていただきます。

『すみれ荘ファミリア』 まとめ

この膨大な量の記事をよくぞ最後まで読んでいただきました。本当にありがとうございます。少しでも気になった方、次に読む本を探している方、凪良ゆう?誰それ?って方、是非この本を手にとってみてください。

きっと今までにありそうで絶対なかった読書体験ができます!

一緒に人間の暗部、覗きましょう( ˆᴗˆ )

https://www.pakutaso.com/20160524141post-7925.html

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