伊藤比呂美『たそがれてゆく子さん』要約・感想をご紹介☆

エッセイ

私にとって、「人生のバイブル」ともいえる本、それが、伊藤比呂美さんのエッセイです。

今まで、人生に迷ったとき、落ち込んだ時、出産・結婚などで、環境が変わったとき、
いつも伊藤比呂美さんの本を読んできました。

何か悩みごとがあるときは、伊藤比呂美さんの本を開けば、そこには必ず、答えがありました。

『たそがれてゆく子さん』は、いよいよ60代になり、「老い」や「死」、そして、「孤独」に向かってゆく伊藤さんご自身の様子、気持ちを、赤裸々に綴ったエッセイ集です。

伊藤さんと同年代の人はもちろん、「まだ老後のことなんて考えられない!」という若い世代の人にもきっと共感してもらえると思います!

すべての女性に読んでほしい、すばらしい作品です。

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作品紹介

『たそがれてゆく子さん』は2015年から2018年の間に『婦人公論』・『早稲田文学増刊女性号』に掲載、連載されたエッセイを収録した、伊藤比呂美さんのエッセイ集です。

2018年 8月 中央公論新社 から出版されました。

作者紹介

著者の伊藤比呂美さんは、1955年生まれの詩人、です。
本業は詩人ですが、1985年に出版された、自身の出産・育児について書いたエッセイ『良いおっぱい 悪いおっぱい』(集英社文庫)がベストセラーになり、エッセイストとしても有名になりました。
1997年に渡米し、その後はアメリカと熊本を拠点として活動をされていました。

2018年4月に、早稲田大学教授に就任。現在は熊本と東京で活動されています。

代表作は 『青梅』『テリトリー論』(思潮社) 『ラニーニャ』(新潮社) 
『おなか ほっぺ おしり 【完全版】』(中公文庫)『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』(講談社)などです。

老いていく女のリアルないきざま

引用元 https://pixabay.com/ja/

伊藤さんには、ご自身の更年期の頃のことを書いたエッセイ集『閉経記』(すごいタイトルですよね (#^^#))という著書がありますが、『閉経記』と比べると、この『たそがれてゆく子さん』は正直ちょっと暗いです・・暗いですが、その分、ものすごく胸に迫るものがあります。

『閉経記』にも、自分の「老い」についてたくさん書かれていたのですが、そこには、老いていく自分を楽しむ感じがありました。

しかし、『たそがれてゆく子さん』には、60になって、どんどん体力もなくなり、孤独にむかう日々を、「あんまり楽しいと思え」ない伊藤さんの様子が、本当に正直に、赤裸々に描かれています。

また、今までの伊藤さんのエッセイではあまりなかった、「あのとき~すればよかった」という記述が多くみられ、胸をつかれます。

特に、「やり直すったって」というエッセイに出てくる、保護センターで犬を引き取る場面での、伊藤さんの心の叫びはあまりに悲痛で、私は号泣しました。

ほんとを言えば、すごく後悔している。毎日一度は後悔している。離婚なんかしなければよかった。アメリカなんかに連れてこなきゃよかった。もっとあの子の性格を理解して辛抱強く待ってやればよかった

あの、「後悔はしない!」という感じでいつも全力疾走されていた伊藤さんがもらす、たくさんの「後悔」を読んで、老いのリアルを、本当にひしひしと感じました・・(T_T)

父母ではなく、夫を看取るということ

引用元 https://pixabay.com/ja/

この作品の前半で主に書かれているのが、年の離れた伊藤さんの夫の入院から、その死を看取るまでの様子と、夫の死後に襲ってくる究極の寂しさについてです。

伊藤さんはそれまでに、日本に住む父母の介護をし、その最期を看取ってきました。

しかし、夫を看取るということは、父、母を看取ることとはやはり違います。
夫を亡くした伊藤さんの友人たちが口をそろえて言う

「いたときはうっとうしかったが、死んだら寂しい、とても寂しい」

という言葉を、伊藤さんは、

「夫がいたときにはあったリアルがなくなっていることに気づく」

という形で、実感することになります。

夫が亡くなった後のエッセイには、夫のことを思い出すシーンが何度もでてきます。
それは、けんかして、いがみあった、うっとうしい思い出ばかりなんですが、失ってしまったリアルを探しているようでとても切ないです。

常に夫のことを思い出している伊藤さんと、現実の生活に忙しい娘さんとの、死者に対する意識の違いに驚いたという話も、グッときました。

私はまだ娘さんよりの感覚ですが、少し心の準備とか、覚悟ができた気がします。

伊藤比呂美流、「孤独との向き合い方」

引用元 https://pixabay.com/ja/

さて、夫の死後、常に寂しさを感じてきた伊藤さんですが、日々迷い、悩みながらも、孤独と向き合っていく姿はやっぱりすごいです。

伊藤さんらしいなあと思うのは、保護センターで引き取った犬(クレイマー)と毎日のように散歩をする姿です。
アメリカの荒野を、クレイマーをつれて修行のように散歩をする場面が何度もでてきます。

その様子はなんというか・・めちゃくちゃ、かっこいい!本当に孤高の修行僧のよう。
私には・・まねできないなあ (*_*) 

また、伊藤さんは、今まですべての苦難を「書く」ことで乗り越えてきました。

離婚をしたときも、父母が死んだときも、書いて書いて、詩や小説、エッセイとして表現することで向き合い、乗り越えたそうです。

そして夫の死後の孤独とも、書くことで、向き合い、突き抜けました。

「もう大丈夫、書いたらすっきりした」と言ったら、娘が「おかあさんはいつもそうだよね。書いて前に進む」と言った。
ちっ、解られていたかという思い。
そのとおりだと胸を張る思い

伊藤さんが、書くことで孤独と向き合い突き抜けたように、私たちも、「自分流の」孤独との向き合い方を探していかなければならないのでしょうね・・。

作品の口コミ・評価

詩人の伊藤比呂美さんが書く文章は、独特のリズムがあって心地よいのです。これにはまっちゃう人も多いですよ! もちろん私もその一人(#^.^#)

やはり、伊藤比呂美さんの本を「人生の道標」として読む方が多いですね。私も何度伊藤さんの本に助けられたことか。「読んでてよかった伊藤比呂美」(笑)

すべての女たちへ 伊藤比呂美からのメッセージ

引用元 https://pixabay.com/ja/

まさに波乱万丈ともいうべき人生を乗り越えてきた伊藤比呂美さんの、「女の人生」にむけるまなざしは、いつも、厳しいけれどあたたかいです。

このエッセイでも書かれていますが、伊藤さんの考える人生の基本は、

       「あたしはあたし」

“「あたしはあたし」ができれば「人は人」がわかる。”

“「あたしはあたし」を別のことばでいえば、「自分らしく」になるわけだ。”

「いい子」「いい人」「いい母」にはならない。
親の期待はできる限り裏切ろう。
そして・・自分らしく生きよう。

伊藤さんの作品にはどれも女たちへむけたこのメッセージがこめられています。

まとめ

引用元 https://pixabay.com/ja/

いかがでしたか。
様々な経験を重ねた伊藤さんの言葉は、私たちが人生に迷ったときに、必ず役に立ちます。
きっとこの本は、みなさんにとっても「人生のバイブル」になると思います。

そして、ぜひ、彼女のほかの作品も読んでみてください。
きっと、よりこの作品や、伊藤さんの人生に対する理解が深まりますよ。

現在日本に戻り、新しい一歩を踏み出した伊藤さん。
きっとまた新しいエッセイを書いてくれると思います。次の作品も楽しみです!

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