『世界音痴』内容・感想・評価をご紹介!穂村弘の爆笑エッセイ

エッセイ

穂村弘のエッセイと初めて出会ったのは、20年ほど前。「日経新聞」を読んでいたときでした。

日経新聞といえば、ビジネスパーソン御用達の新聞。夫の希望でとっていただけで、日本や世界の経済情勢なんて、全く興味のない私にとっては、ほとんど読むところがない新聞だったんですが・・

文化面がわりと充実していて、各界の著名人のコラム連載とか面白かったので、そういうのだけちょろちょろ読んでいたんですよね。

で、そんなとき、「最近・・すごく面白いんだけど、なんか日経新聞らしくないこと書いてる変な人いるよな・・。」って思いながら読んでいたのが、そう、穂村弘のコラムだったんです。

その時は、作者のこともあまり気にせず、流し読みしていたのですが、数年後この「世界音痴」という本を手にとって初めて気が付きました。

ああっ!この作者、あの日経新聞でちょっと浮いてた変な人だ!←穂村さんごめんなさい<m(__)m>

穂村弘・・・この人「歌人」だったのね!?

いやーそんなすごい人だったのかー。

・・・にしてもこの内容は・・。

面白い・・・すっごく面白いんだけど、「とほほ」すぎるっ!!

かなりなヘタレ人間だと自覚している私でさえひくほどのヘタレっぷり。

しかし、あとになって気が付いたんですが、これ、ただ「自分のダメ人間ぶりを暴露する」だけのエッセイじゃなかったんですよね。

歌人として、選びに選び抜いた言葉を駆使して書かれた、じつはすごいエッセイでした。

わかってなかった私を反省しつつ、穂村弘の爆笑エッセイ集『世界音痴』を紹介したいと思います。

↓このシュールな表紙の人物は作者の穂村弘さん本人です!

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作者紹介

穂村弘さんは、1962年、北海道生まれ。現代短歌を代表する歌人の一人です。

歌人としてだけでなく、批評家、エッセイスト、絵本の翻訳家としても活躍されていて、著書も、歌集、短歌入門書、評論、絵本など多数。

2018年に4冊目の個人歌集となる『水中翼船炎上中』が刊行されました。前作の歌集(『手紙魔まみ、夏の引っ越し(ウサギ連れ)』)から17年ぶりになります。

代表作は、歌集『シンジゲート』、入門書『はじめての短歌』、エッセイ『整形前夜』など。

作品紹介

「世界音痴」(小学館)は、1994年から2001年の間に、新聞や雑誌に連載・掲載された、エッセイを収録したエッセイ集です。

穂村弘さんの初めてのエッセイ集になります。

2002年に単行本が刊行され、文庫版は2009年に刊行されました。

ほむほむの「ヘタレワールド」へようこそ

引用元https://pixabay.com/ja/

この本の内容を簡単に言ってしまうと、

今の私は、人間が自分かわいさを極限まで突き詰めるとどうなるのか、自分自身を使って人体実験をしているようなものだと思う。本書はその報告書である。

「世界音痴」あとがきより

これにつきます。

しかし、これだと、えっまさか、太宰治の「人間失格」的な、酒と女におぼれて破滅的な人生送るやつ!?と思う人もいるかもしれませんが、

安心してください。それとは真逆なやつです(笑)

ここにでてくる「自分かわいさ」は、もーっと小市民的なもの。きっとみなさんにも1つや2つはあるはずの隠しておきたい「ヘタレな自分」。

例えば

  • 初対面の人に「あなたひとりっこでしょ?」といわれるほどの強いひとりっこ臭がする。

  • 凍った路上で恋人が足を滑らしたとき、思わずつないでいた手を放してしまう。
  • 中性脂肪値388なのに、通勤途中であんパンを買って食べ、夜中に寝ぼけてベッドで菓子パンを食べてしまう。
  • しらふで運転していて、なんの違反行為もしていないのに、なぜかよくパトカーや白バイのおまわりさんに、停止を命じられる。
  • 大量の自己啓発本と、サプリメントと青汁で、「素敵な人」になろうとする。

・・すみません、なんだかとても哀しくなってきたので、このへんでやめておきますが・・。

穂村弘の天才的な言葉選びのセンスによって繰り出される、この「とほほ」伝説たち。

マジで笑い死にます。

みなさんも、ぜひこのおかしくも切ない不思議世界を体験してください。

「ようこそ、ほむほむの、ヘタレワールドへ!

「社会的に有益」からこぼれ落ちたものたち

引用元https://pixabay.com/ja/

この「ほむほむワールド」に完全にはまってしまった私は、穂村さんの面白さって一体何なんだろうと考えるようになりました。

私が思うに、穂村さんという人は、「社会的に有益」というフィルターからこぼれ落ちたものをすくい上げる能力がすごいのではないでしょうか。

私たちはいつも世界を「社会的フィルター」を通してみていて、そこからはじかれたものがあることに気が付いていないんですね。

社会で役にたたないもの(例えばヘタレな自分とか)はなかったことにしてしまってるんです。無意識のうちに。

それを穂村さんは、

「おい、まてまて。ここに落し物があるじゃないか!」

と、はじかれたものをすくいあげて、私たちに見せてくれるのです。

息苦しい現実の裏側の、きらきらしたもう一つの世界。誰もがその存在を知っている。

で、初めて「え?私たちはこんな面白い物落としてたの?」ってきがつくんですよね。

今から思えば、私が「社会的に有益」の権化ともいえる「日経新聞」で穂村さんのコラムを読んだ時の衝撃って、まさにこんな感じだったんでしょうね。

短歌って面白い!

引用元https://pixabay.com/ja/

あ、言い忘れていましたが(笑)、穂村弘さんは、「歌人」です。そう、本業は「短歌」を作る人なんです。

この『世界音痴』は歌集ではなくエッセイ集ですが、多くのエッセイの最後に短歌も載せてあります。それが、めちゃくちゃ面白いです。

しかし、短歌って聞くと、「むつかしい」、「よくわからん」、「ハードル高い」・・そんなイメージを持つ人が多いのではないでしょうか?

私もそうでしたよー。

短歌ってあれでしょ?毎年「歌会始」で皇族の方々が詠んでるやつでしょ?

上品でみやびなやつね私とは世界が違うやつね。

・・って思ってましたもん。

そんな風に感じているみなさんに、短歌のイメージをぶち破る穂村弘のこちらの短歌をご紹介しましょう。

「美」が虫にみえるのことをユミちゃんとミナコの前でいってはだめね

あ、まだインパクトが足りないですか?ではこれはどうでしょうか

サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい

“「美」が虫にみえるのこと” って・・・“サバンナの象のうんこ” って・・・一体なんなの⁉っていうか、短歌ってこれでいいの?・・と私はかなり衝撃をうけましてね。

これを読んで一気に短歌にも興味を持つようになりました。

「いやーでもやっぱり短歌ってハードル高いよ。穂村さんは昔から才能あったんじゃないの?」と思われた方もいらっしゃるでしょうか?

では、穂村さんが中学校の国語のテストで書いた回答を紹介しておきましょう。

①やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君

①の短歌の作者は誰か   答 ロドニナ・ザイツェフ

①の短歌は何句切れか   答 こま切れ

この回答を見て怒りに声を震わせていたという古文のミチコ先生も、まさかこの生徒がのちに「歌人」となって、歌集を出したり、短歌の評論集を出したりするとは思わなかったでしょうね(笑) 

穂村さんの才能というのは、「心と体のバランスがぐちゃぐちゃだった」中学生のときの感性をそのまま持ち続けているところじゃないかなと思います。

この感性に共感できるという人は、短歌にもはまると思いますよ。ぜひ、穂村さんの歌集や、短歌の入門書も読んでみてくださいね。

最後に、私の大好きな穂村さんの短歌をご紹介します。

夢の中では、光ることと喋ることはおなじこと。お会いしましょう

『はじめての短歌』(河出書房新社)2016年出版 短歌とは「生きのびる」ためではなく、「生きる」ために あるもの。わかりやすく、面白い穂村さんの短歌入門書

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作品の口コミ・評価

いや、ほんとに、「世界にちょっとなじめない、ちょっとずれた感じがする。」を「世界音痴」と言った穂村さんて、やっぱり言葉のセンスがすごいなあと思います。

「世界音痴」な人って、結構いると思うのですが、どうでしょうか?

又吉さんて、絶対穂村さんと世界観が似ていますよね。

穂村さんも、自身の短歌入門書『はじめての短歌』で又吉さんの自由律俳句を賞賛しています。

まとめ

引用元https://pixabay.com/ja/

いかがでしたか。穂村ワールドの魅力が十分伝わったでしょうか?

「世界音痴」は穂村弘の初エッセイ集で、当時結構話題になった本です。単行本は20年ちかく前に出版されたものですが、今でも全く古いという感じはしません。

だからでしょうか、「世界音痴な」最近の若い人の間でも人気があるみたいですね。

ちなみに「世界音痴」のこのシュールな表紙に写っている人物は、穂村弘さん本人です。この本の最後に担当編集者による「表紙撮影秘話」が載っているので、ぜひ最後まで読んでくださいね!「うーんやっぱりこのオトコはただ者ではない!」↓

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